90年代の食糧危機以来、強盗、殺人、窃盗、強姦などの犯罪が激増した。写真は清津市の街角。(2004年7月 リ・ジュン撮影)

二〇〇六年夏のある日の晩、清津(チョンジン)市にある軍官学校(士官学校)近くを通りかかった女子大生が、数人の軍人に拉致され、暴行されて殺害された。
犯人は最近ようやく逮捕されたが、軍官学校周辺の副業地(注1)で夜間警備を行っていた部隊の六人の軍人だった。

彼らはその日の晩、腹が減ったので、通行人の荷物や金を奪って食べ物を手に入れるつもりで路地を見張っていた。
そこへ女子大生が現れたので、飛びかかって手足を縛り、口を塞いだ。そして女子大生をトウモロコシ畑の中に引きずり込み、所持品を探した。だが、軍人六人が腹を満たせそうな金や品物は出てこなかったため、それなら欲望だけでも満たそうと、女子大生に暴行を加えた。
「言うことを聞かなければ、この場で殺すぞ!」

と脅すと、女子大生はどうか命だけは助けてくれと必死に命乞いした。理性をなくした軍人六人は、獣のように襲いかかり、彼女を陵辱したのだった。
女子大生がブルブル震えながら「やめてください」と訴えたのに、軍人たちは
「金もないくせにうるさい」と言って、寄ってたかって女子大生を殴る蹴るして殺してしまったのだという。
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