リム:そうですか。
B:そうですよ。ほんと、一ヶ月間大変でしたよ。

リム:一ヶ月もかけてそうやって掃除したからでしょうね、盧武鉉といっしょに平壌に行った記者たちが撮ってきた写真や映像を見ると、平壌市内は隅から隅まで綺麗でしたね。
B:今回は、一号道路(注1)の周辺に住んでる家には、役人がいろいろモノを持って来たそうです。ひょっとしたら(米国人が家に)やって来て、見るかも知れないから。家の中が空っぽだと、恥をかくと考えたのでしょうね。
そうしておいて、毎日水汲んできては掃除して……。

リム:大変だったんですね。
B:そこの地区の人たちは、みんな出て来て水汲みです。
人民班長が毎日、毎日、朝早くから一軒一軒回って「水汲み、水汲み」って号令掛ける。そして、ここ拭けって言われたら拭いて、あそこ拭けって言われたらまた拭いて。
一ヶ月間ずっとそうだったんです。大変でしたよ、ほんと。

リム:それにしても、米国人は、きれいに掃除された街を見に来るわけではないのにね。
B:そうですよ。朝鮮ではいつも何か行事がある度にこうなんです。行事の時には、一般人を閉じ込めて、「出てくるな」なんて言うくせに、準備には年寄りまでこき使う。

リム:まったく。真冬の寒い時なのに、お日様でも出ていれば、マシなんだろうけど。
B:平壌も暖房なんか入らないから、アパートの家ん中もどんなに寒いことか。
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