だれが聴きに行ったのか?
リム:そのニューヨーク・オーケストラってのはどうですか? 一般の人たちは少しくらい見られるんですか?
B:一般の住民は、そんなとこ行けやしませんよ。平壌市内の幹部とか文化芸術局とかの人たちが行くもんですよ。

リム:これまでは〝米国〞と言えば、朝鮮では一般的にイメージが凄く悪いでしょうけれど、その米国人が来て、特権層の上の人たちと笑顔で一緒にいる姿は、あなたたちの目にはどう映るんですか?
B:そうですね。ああいうのをテレビで見てみると、わが国は宣伝も上手にするでしょ?
二一世紀の太陽将軍様が、こうして暖かく迎えるから米国も喜んでるっていう風に。新しい朝米関係が始まるって宣伝するわけですよ。
実際はどうなるか分かりませんがね。実現したらいいんですけど。内心、テレビや宣伝見ても、これってホントかな?って、疑ってしまうんですよ。

注1 金正日が参加する「一号行事」用の道路を「一号道路」と言う。
一号道路は、まるで政治行事のための舞台のようだ。朝鮮を訪れる外国人は、極めて特別な場合を除き一号道路を外れることができない。
しかし平壌市民を含めた朝鮮民衆の実際の生活は、舞台のような「一号道路」では営まれない。彼らの生活は「裏道」にこそある。

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