急性骨髄性白血病で入院するアリ・ジャバールくん(8)とマジン医師。「家に戻れたら、お兄ちゃんとサッカーをしたい」と話した。(バグダッド・3月20日 撮影: 玉本英子)

 

玉本英子 現場日誌
バグダッドの医師が、日本のNGOのこれまでの支援への感謝を述べるとともに、東日本大地震の被災者へメッセージを寄せた。
ワルサーレ教育病院にはイラク各地からガンや白血病の子どもたちが診察や治療に訪れる。この病院へは日本のNGO団体、JVC(日本国際ボランティアセンター)とJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)が2003年から医療支援活動を行ってきた。

マジン・アル・ジャドリィ医師(46)は、
日本のNGOは週に一度、定期的に薬を届けてくれるなど、他国のNGOとは違うきめ細やかな支援をしてくれ、感謝の気持ちでいっぱいだ。今回の日本の地震では、原発の事故で被爆した人が出ていることを知り、人ごととは思えない。私たちの心が皆さんとともにあることを伝えたい。日本の技術を信じているが、自分たちにも何か出来ることはないかと、他病院の医師たちと話しているところだ」
と述べた。

「お腹が痛くなくなった」と笑うアブドゥラ・ラヒールくん(3)は胃がんの手術を終え、再検査を受けてに来ていた。(バグダッド・3月20日 撮影:玉本英子)

 

病院の待合室には診察に訪れた子どもとその家族でごったがえしていた。上階にある急性白血病患者の病室では個室用の部屋に3つのベットが並べられ、子どもたちが点滴治療を受けていた。部屋に空気清浄機などはない。マジン医師によると4割から6割(急性リンパ性白血病)の子どもたちが助かるという。

イラクでは91年以後、イラク南部を中心に子どものガン、白血病が増えており、湾岸戦争で米軍が使用した劣化ウラン弾の影響が原因ともいわれている。イラクはもともと医療技術が高い国として知られてきたが、その後の経済制裁やイラク戦争後の混乱で医師の国外への流出がすすみ、医療の現場は立ち遅れている。
【バグダッド・玉本英子】