シリアで反政府デモが本格化して2年が過ぎた。内戦による犠牲者の数はすでに10万人を超えたという。そんな中でシリアの一般市民はどのように暮らしているのか。
今年の春、玉本英子がシリアに単独潜入し、取材を敢行。戦火に生きる人々の姿を語ってもらったインタビューの第2回目。(編集・整理/大村一朗)

シリアの学生たちから話を聞く玉本英子。内戦下の市民の暮らしを伝えるため、シリア北東部に入った(2013年春撮影)

シリアの学生たちから話を聞く玉本英子。内戦下の市民の暮らしを伝えるため、シリア北東部に入った(2013年春撮影)

 

◆市民生活は、内戦下のイラクより厳しい
Q:玉本さんは現地で協力者の家に泊めてもらいながら取材をしてきました。市民の暮らしぶり、人々の抱える最大の問題は何でしょうか。
玉本:一番の問題は、電気、水、食糧の不足です。夏は40度以上になるから、今ごろ電気なしで一体どうやって暮らしているのか心配です。

イラクでは、電気がなくてもオイルがあるので、内戦下でも共同の発電機などを何とか稼動させていました。シリアはオイルもないし、発電機は高くて一般市民には買えません。

Q:どの程度不足しているのですか?

玉本:電気も水も一日一時間ほどしか使えません。停電中は送水ポンプも動いていないので水も来ないんです。電気が通ると、みなダッシュで水を貯めて、テレビで情報収集をします。パソコンも充電します。車のバッテリーを使って、家の電気を充電しておくことも忘れません。満充電できれば、2時間ぐらいは家の電気として使えるんです。

食糧は、以前に比べて2倍から6倍に値上がりしています。家庭の料理に欠かせないキュウリやトマトでも2、3倍に上がっています。戦闘で道が遮断されて食糧が届かないこと、輸送費が値上がりしていることが原因です。ガソリンスタンドの前には常に数百台の車が列を作って順番を待っています。肉を買えず、代わりにリンゴをたくさん買って食べる人もいるそうです。

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