【写真特集・モスル】イラク軍掃討作戦からIS台頭までを振り返る(3)（写真12枚）

イラク軍が設置した診療施設での薬の配布に並ぶ住民。（2010年・モスル：撮影・玉本英子）

モスル東部カラマ地区は低所得者層が多かった。武装組織はこうした地区住民の政府への不満や、地元部族の反目を利用しながら浸透を図っていた。（2010年・モスル：撮影・玉本英子）

力ずくの武装組織掃討作戦が住民を巻き込み、反発を招いたことから、イラク軍は生活困窮家庭を中心に食料・物資を配布して理解や協力をとりつけようとした。武装組織の活動基盤を作らせないことも任務のひとつだった。（2010年・モスル：撮影・玉本英子）

モスルを含むニナワ県には武装各派が存在したが、イラク・イスラム国（ISI）がシリア内戦に乗じて国境をまたいで勢力を拡大し、各派を吸収。イラク・シリア・イスラム国（ISIS）となり、2014年にイスラム国（IS）となった。（IS映像）

2014年6月、モスルを制圧したISは、力による支配を推し進め、同時に行政統治機構を作りあげた。ISはイスラム制度に基づいて貧困家庭に食料・現金支給を配布するためのザカート（救貧税）制度を導入。（IS映像）

イラクではフセイン政権時代から続く小麦粉や食用油など最低限の食料物資配給制度が存在し、ISはそれを部分的に改変したにすぎないのだが、イスラム法統治のもと（で）のザカート制度を「理想社会の建設」として大々的に宣伝した。（IS映像）