現在のイドリブ市内。いつまた戦闘が激化するかわからず、市民は不安と隣り合わせ。(2019年8月・撮影:ジャベール・アル・バクリ)

住民のほとんどは生活に困窮しています。それぞれが日雇いなどの限られた仕事をして、わずかな収入を得る程度ですが、その仕事がいつまであるかもわかりません。多くが、月に100ドルぐらい(約1万円)でやりくりしなければなりません。それでは家族を養えません。私は記者の仕事をしているので、不安定ながらも少しの収入があります。それでも厳しさに変わりはありません。

イドリブ市内。長期におよぶ内戦で、住民生活は困窮している。(2019年8月・撮影:ジャベール・アル・バクリ)

◆「シリアはなぜこんなことに...」

現在、学校は夏休みですが、その前は砲撃などで学校は閉鎖されていました。電気供給はなく、一日に2~4時間、発電機をまわします。今の季節、35度を超えるので、電気なしでは、とてもつらいです。水は一週間に一度だけポンプが使え、蛇口から出します。それを携行缶10杯に貯めて、家族7人分の一週間分の料理や、体を洗ったりするのに使います。料理にはプロパンガスを使いますが、ひとつが5600シリアポンド(約1300円)と、高くてなかなか手が出せません。

今日の晩ご飯は、パンとイワシの缶詰でした。薄暗い部屋で家族が食卓を囲みます。以前であれば、今日起きた話などをしたものですが、もうそんな気力もなくなってしまいました。誰も何も話しません。恐怖と絶望が人びとの心を覆っています。それでも家族のために、生まれてくる子どものために生きていかなければならない。シリア人どうしが対立し、政府が自国民の子どもを爆撃で殺す。シリアはなぜこんなことに。悲しみでいっぱいです。

(つづく)

<シリア>反体制派拠点イドリブ 現地記者語る(2)「仲間の記者がロシアの爆撃で」(最新写真8枚)

シリア政府軍は8月1日、反体制派と「停戦合意」するも5日には攻撃再開。写真はHTS公開のハーン・シェイフンでの政府軍・民兵の砲撃。着弾し、煙があがる。(2019年8月・HTS映像)