◆「今も戦争は続き、命が失われている」

ISの中には負傷すると敵を巻き添えに自爆する者もいたり、「いくらでもカネを払うから助けて」と命乞いする者もいた。「死を恐れぬ神の兵士」と宣伝するが、やはり人間だと感じるという。

昨年秋、私は再びコバニを訪ね、モハメド先生との再会を果たした。私は彼を力いっぱい抱きしめた。

コバニが平和になって良かったですね

すると先生は言った。

ISとの戦闘は終わったかもしれない。でも別の地域では今も戦争は続き、人びとの命が失われているのです」 

私の目は涙でにじむばかりだった。

昨秋、取材したコバニで再会したモハメド先生。感動と感謝とで胸がいっぱいになった。(2019年10月・撮影:坂本卓)

(※本稿は毎日新聞大阪版の連載「漆黒を照らす」2020年6月23日付記事に加筆したものです)