ソーラーパネルで得た電気でWIFIルーターを使う。ネットは近くでの戦闘の状況を知るだけでなく、親戚の安否確認の貴重な手段だ。(アル・バーブ近郊のテントで9月中旬:ウンム・ムハンマドさんが携帯で撮影)

◆内戦で破壊された普通の生活

ここでなくてはならないものは、スマホです。私たちにとっては命綱のような存在です。テントのなかにWIFIルーターをつけています。SNSを通して、近くで何が起きているのか、戦闘は迫っているのかを知り、また親戚の安否も互いに確認します。

 

ガスがないため、拾い集めた枝で湯を沸かし、食事を作る。(アル・バーブ近郊のテントで9月中旬:ウンム・ムハンマドさんが携帯で撮影)

周辺に避難民キャンプはなく、私たちはどこからも支援も受けていません。農園の近くにプラスチック再生工場があります。ふたりの息子が働き、週に7万シリアポンド(この地域のレートで約3100円)を得ています。私は農園の水やりと、時々工場でプラスチックを仕分けする仕事をして家計を支えています。

息子のひとりは隣国トルコへ逃れました。働いて送金してくれていましたが、新型コロナの影響で仕事を失い、送金は止まりました。トルコで難民となった彼の生活も苦しいに違いありません。

家族が食べていくには最低でも月に200ドル(約2万1000円)は必要ですが、息子の送金も途絶えたなか、とても厳しい状態になってしまいました。

 

平たいパン(ホブス)に少しのトマトペースト、香辛料をつけて食べる。(アル・バーブ近郊のテントで9月中旬:ウンム・ムハンマドさんが携帯で撮影)

私は内戦前に普通にできていた多くをあきらめました。子どもたちにお菓子を作ることや、牛肉を食べることとかです。ここではパンとお米、パスタ、少しの野菜の繰り返しの日々です。

この一帯はトルコ軍が展開する地域で、シリア政府軍の支配地域は目の前です。ここは最前線といえます。いつ戦闘が勃発するのかと考えると、怖くてたまりません。でも、ここを簡単に離れられません。過酷でも、生きるための仕事があるからです。そして移動するのも、もう疲れ果ててしまいました。