2020年11月中旬、アフリカ最後の植民地で、戦闘が再開した。
西サハラ南部のゲルゲラートで、モロッコの西サハラ占領に対する抗議活動をしていたサハラーウィ(西サハラに暮らしてきた人々)を、モロッコ軍が排除。これを停戦違反としたサハラーウィは攻撃を開始。現在も戦闘が続いている(岩崎有一)。

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◆地元報道「サハラーウィ側に初の犠牲者」

昨年11月、複数のサハラーウィから、戦闘再開を伝える投稿がSNSを介して流れてきた。
2020年10月21日、ゲルゲラートの緩衝地帯を縦断する道路上で、サハラーウィの老若男女が道路封鎖する抗議活動を始めた。その後11月13日、モロッコは軍をもって抗議するサハラーウィを排除。ポリサリオはこれを停戦協定違反とし、攻撃を開始。モロッコ軍の拠点数カ所を砲撃した。モロッコも応戦し、現在まで戦闘が続けられている。
今年の2月23日、サハラーウィのニュースサイト「FUTURO SAHARA」は、戦闘によるサハラーウィ側の初の犠牲者が出たことを報じた。

全長2700kmに及ぶ砂の壁を、サハラーウィが統治する解放区側から撮影。監視するモロッコ兵の姿が見える。砂の壁に沿って、緩衝地帯が設けられている(2019年撮影・岩崎有一)

◆モロッコからの西サハラ独立を求め戦うポリサリオ戦線

アフリカ北西部の西サハラでは、1975年にスペインが植民統治を放棄して撤退した後、モロッコが軍事侵攻を開始した。サハラーウィによる独立解放組織であるポリサリオ戦線は、西サハラの独立を求めて抗戦。国連は住民投票の実施をもって西サハラの帰属を決めるとする解決案を提示し、ポリサリオとモロッコ双方がこれを受け入れ、1991年に停戦にいたった。