
◆石綿含有把握も1カ月半放置
今回の石綿飛散は、はっきり人災といってよいだろう。
同社によれば、5月14日の定期点検で天井裏にある換気設備の継ぎ手部分の布地が破れていると保守を請け負うグループ会社から報告を受けていた。同21日、東京メトロは特別修繕を依頼した。
ところが保守会社が布地の石綿分析を依頼したのは1カ月以上経った6月26日。7月6日には基準(重量の0.1%)超のクリソタイル(白石綿)含有と判明。含有率は不明という。
石綿含有率80%以上の配管継ぎ手が破れているのに破損の確認から約3カ月、石綿含有の確認から1カ月半、補修されないまま放置した結果、今回の石綿飛散が起きた。
本来なら、5月14日の報告段階で同社側が石綿含有の可能性を把握しているのが当然だし、保守のグループ会社も同様だ。そもそも分析まで1カ月超は遅すぎるし、分析結果が出てから1カ月半放置したことにも危機意識が感じられない。
同社は、「特別修繕依頼をした時点で保守会社に石綿の検査をしてくださいとか、(依頼後にも)本来なら確認しなければならなかったのですが、できていなかった弊社の落ち度です」(同)と認めた。
また、保守のグループ会社が石綿含有との分析結果を共有しなかったのは、「修繕依頼の日程や費用などを精査したうえで回答しようとしていた。こちらとしても保守会社としてもお互い落ち度があった。大変申し訳ございません」(同)と謝罪した。
上記は8月12日の電話取材時における回答だが、なぜ破損確認から分析まで1カ月超も掛かったのか改めて書面で尋ねると、「布のはがれは見つけましたが通常運転に支障がなかったため、運用しながら補修に向けた手続きを開始した。専門業者への発注・調査を踏まえると、分析結果の受領まで1カ月程度は要する」などの見解だった。
同社は同様の設備がある約2600カ所の緊急点検を開始したというが、今回の教訓はどの程度生かされるのか。





















