ISに拉致されたサリマ。何度も自殺を考えたという。隠し持っていた携帯で家族と連絡が取れ、その後、奇跡的にクルド自治区へ逃れることができた。(ドイツにて4月撮影・玉本英子)

ISに拉致されたサリマ。何度も自殺を考えたという。その後、奇跡的にクルド自治区へ逃れることができた。(ドイツにて4月撮影・玉本英子)

サリマ(18・仮名)は拉致から1年後、戦闘員のもとから脱出を決意。「夫」アハマド(仮名)の兄に連れられモスルへ行った時、チャンスが訪れた。その後、親族と連絡をとることができ、ブローカーの手引きでクルド自治区へ逃れることができた。現在は人道団体の支援でドイツ国内のある町に滞在している。今もISに拉致された記憶が心に深い傷となっている。ドイツで話を聞いた。(玉本英子)

父の殺害映像を見せられた
ISに襲撃された時、女性たちはバスで連れていかれたので家族がどうなったのか分かりませんでした。私を奴隷として引き取ったアハマドが、携帯電話で撮影したビデオを私に見せました。そこには私の父が撃ち殺されるところが映っていました。父が殺される映像を見て、どうして正気でいられるでしょうか。涙が止まらず、胸がえぐられる思いでした。私には兄さんが2人いましたが、彼らの消息は今も分かりません。
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<イラク>「イスラム国」に強制結婚させられた19歳のヤズディ女性(上)~集団殺戮と性的暴行、そして脱出

【ヤズディ教(ヤジディ教)】
ゾロアスター教の流れをくむといわれるが、イスラム教やキリスト教の影響も受けている。イラク、シリア、トルコなどにまたがる地域に暮らす。イラク国内には最も多く、およそ60万人が暮らし、クルド語を話す。フセイン政権下では迫害され、イラク戦争後はイスラム武装勢力から「悪魔崇拝」として狙われてきた。ヤジディ教、エズディ教とも表記される。


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