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バスリさん一家のテント。奥さんがパンをこねていた。肉をたべる機会は少ない

一緒にすすりながら、私は彼らに一歩近づいたような気がした。
(後で地元のトルコ人に話すと、普通ではあり得ないこと、と驚かれた)
テントの広さは四畳半ほど。
中には毛織の絨毯がひかれ、赤や紫の鮮やかな花柄のふとんが積み上げられていた。テントの前には石を組み合わせて作ったかまどが据えてある。
アルミの鍋にはトマトで色づけされた大豆のシチューがぐつぐつと煮えていた。
草むらの向こうから、私の姿を見つけた7人の子どもたちが、いっせいに駆け寄ってきた。
上半身裸で、陽に焼けた髪の毛が金色に輝いてみえる。
私はオレンジジュースのペットボトルを凍らせて持ってきていた。それをリュックサックから取り出すと、鼻をたらしたひとりが満面の笑顔を見せながら、言った。
「ありがとう!でもお金の方がよかったな」
(続く)
(初出 2001年)
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