6 今後の課題
述べてきたような諸問題を分析すると、今後の課題は明らかになってくる。
まず、朝鮮は南北関係の新しく革新的な指針を作らなければいけない。
先に指摘したように南北関係の推進力が金正日将軍様の威信であるという、世界の常識にはないことを人民に宣伝すればするほど、むしろ自分が仕掛けた罠に自ら足を取られるということを強く言いたい。

特に、不足している食糧を国際支援してもらうのに「将軍の権威によって米を差し出した」というように権威付けをしたり、逆に受け取ると権威に傷がつくからと断ったりしては、国際社会の笑いものになるだけであって、逆に将軍の権威を傷つけているのだ、ということを知らねばならない。
そして、大国に取り入り、その笠に着るような事大主義外交は止めなければいけない。

「核」は事大主義的な対米本位の外交で、これもやはり自分で自分に仕掛けた罠になる可能性があるものだ。
現在は、外部からの情報からある程度遮断されているからそれで済んでいるが、いつか人民が歴史と事実を知ったとき、現体制ははたしてどうするつもりだろうか? 「朝鮮を守るための核」というが、一体誰が、国際社会に朝鮮を攻撃できるような口実を絶え間なく与えているのか?
「苦難の行軍」の行く当てのなかった時にも朝鮮への攻撃はなかった。

この現実が意味するものは、朝鮮の周辺諸国は朝鮮半島の安定と平和を望んでいるということであり、これは全世界の常識となっている。
「核外交」もいいかげんに、賢く迅速に終わらせなければいけない。いったん「核外交」が始まってしまった以上、これ以上は無駄な時間を費やすことなく終わらせるチャンスを逃してはいけない。
なおかつ、今はこの「核峠」を越える過程で得た教訓をもって、もうすでにその次に待ち構えている「人権峠」を乗り越えるための戦略的準備に入るべき時期ではないか。
(おわり)

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