構内の一室に、中古パソコンが30台ほどずらりと並び、ほぼ満席。僕も使えますかと聞くと、どうぞどうぞと歓迎しくれた。席に着いて早速ブラウザを立ち上げるが、表示は極めて遅い。みな大人しくじっと我慢しているなぁと周りを見渡してみると、男性陣はアダルトサイトに夢中。

そうでなくても細い回線を、この人数で容量の大きい画像をダウンロードするために使っているために、全体のスピードは著しく低下してしまっていた。インターネット開通という華々しいこの日、大学のPCはアダルトサイト一色。深くため息をついて、何のサイトも見ないまま、私は教室から外に出た。

がっかりしたまま大学を去ろうとしたところ、一人の男性に「どちらの国の方ですか」声をかけられた。彼は、塾の先生。英語と地理を教えているという。日本人であることを話すと、「日本人ならば、こういったテクノロジーについては詳しいはず。

私たちはインターネットで何が得られるのかが、まるでわからない。ぜひインターネットでできることについて塾で話をして欲しい」と頼まれた。私は、快諾。ニャラを去る前に、アダルトサイト以外にもインターネットがニャラの人々にもたらしてくれる有益な情報がたくさんあることを伝えることで、この日に感じたガッカリ感を多少なりとも解消したかった。

数日後、彼の寺子屋で私の講演会が開催。小学校1クラス分くらいの成人男性が参加。最後まで参加者の集中力は途切れること無く、みなじっと聞き入っている。ニャラ大学のパソコン室の風景を、少しは変えることができたような感触とともに、私は講演を終えた。