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店構えを見て、ガーナはひと味違うな、と感じた。なにが違うかというと…。
西アフリカの国々の看板、なかなか面白い。そこで販売されている品々や提供されるサービスが、独特なタッチの絵によって表現された看板が、あちこちに掲げられている。こういった看板絵はすべてペンキを使った手書きによるものだ。

例えば、様々なヘアスタイルがおもての壁一面に描かれた理髪店。見たことも無いような髪型ばかりが並んでいて、あまり実用性があるとは思えないが、確かに理髪店であることは一目瞭然。こちらの店主の腕前の幅も、類推される。鶏肉を売る店では、鳥の首を切る様が描かれていた。他の描き方ももあったろうにと思うが、見方を変えれば、新鮮な肉が期待できるとも言えよう。

右の写真(クリックで拡大)は、セネガルのカフェ兼公衆電話店。飲み物とクロワッサンが描かれているが、コッペパンはあるがクロワッサンはここには無い。

それでも、パンをかじりながらほっと一息、という演出なのだろう。画面中央には、電話で話をしている男性の絵。電話機のボタンが異常に多いが、なにかハイテクな感じをこの絵から読み取れば、正しい鑑賞となるのかもしれない。書かれた文字はフランス語で、「もしもし」の意である。

さらによく見てみると、この男性の肌の色はグレーで髪型は七三分け、瞳の色は赤い。服装は、シャツの上にセーターを着ているように見えるが、ここでアイロンがけをしている女性の姿からおわかりになるように、ここは暑い。色使いにしても髪型にしても、いったい、なぜ…。「もしもし」に付け加えられた矢印だって、なくてもよさそうに思えるが。
このように、西アフリカの看板絵には、独創的な世界観がむんむんと漂っている。看板というよりは、「作品」と呼ぶほうが近い。
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