これらの記事に掲載された写真からもわかるように、今や一〇年以上の歴史と経験を持つに至った朝鮮の新しい民衆の市場は、制度として整理されていないにもかかわらず、まったくもって改革開放された国の市場の姿を彷彿とさせる。
この発展の底力は、当然のことながらこの市場の生産性にある。

国家が改革開放から逃げ、外国との交流をしてこなかったため、朝鮮では国家経済が破産し、国営企業は次第に廃墟と化し、全てが時代に逆行してしまっているが、唯一市場型経済だけは、国家の統制にもかかわらず、七転八起、幾度となく立ち上がり、国も民族も救ったのだった。
今では、市場自体が明るく大きく清潔な装いを持つ空間に変貌を遂げており、国家ももはやその現実を認めざるを得なくなっている。

しかし、一方で女性や零細商人を締め出して生活の機会を奪い、「配給労働経済」を復活させようとしている。このような国家の動きに対しては、警鐘を鳴らさずにはいられない。
(つづく)

注1 朝鮮は金日成の生まれた一九一二年を元年とする独自の元号として「主体」を使用している。今年二〇〇九年は「主体九八年」である。

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