両江道恵山市近郊を走る北朝鮮の鉄道列車。窓ガラスが無い。90年代後半の「苦難の行軍」と呼ばれ多数の餓死者が出た経済難の時期、人々がぎゅうぎゅう詰めの列車に窓から乗り込んだ名残だ。2002年8月 中国側から石丸次郎撮影（アジアプレス）
◇両江道のトンネル内 平壌方面が不通に
北朝鮮北部の両江道厚昌（フチャン）郡で貨物列車の転覆事故が発生、平壌方面に向かう鉄道が不通になっていると、北朝鮮内部の取材協力者が16日伝えてきた。
両江道に住むこの取材協力者によると、事故があったのは14日で、厚昌郡の羅竹（ラジュク）里のトンネルの中で、恵山（ヘサン）市に向かっていた貨物車2両を引いた列車が転覆した。
取材協力者が恵山駅の貨物指導員（担当者）に聞いたところによると、この列車は鉄道警察に配給する食糧のトウモロコシを積んでいたとのこと。この事故の影響で恵山から平壌に向かう列車が不通になっているという。
北朝鮮の鉄道列車内の様子。奥に金日成－金正日の肖像画が見える。2005年6月 李準（リ・ジュン）撮影（アジアプレス）
死傷者の数や事故の原因は現時点では不明だが、北朝鮮内部の取材パートナーが伝えてくる情報を総合すると、最近列車やバスの事故が多発しているのは確かだ。1月には平安南道で列車の衝突事故、両江道では3月にバスが川に水没して約70人が死亡する事故も起きている。
アジアプレスでは、北朝鮮内部に中国の携帯電話を入れて情報提供を受けている。
（黄美蘭＝ファン・ミラン）
