これまで、茂山鉱山で採掘された鉄鉱石は、南坪鎮にある選鉱場で鉄鉱粉に加工されたあと、20トンのダンプトラックで和龍市内へと運ばれ、そこから中国各地へ供給されていた。一日に数十台の大型車が行き来するため、南坪鎮~和龍市内を結ぶ道路の劣化はひどく、周辺の住環境に悪影響を与えていた。鉄道開通により、こうした問題も解決されることになる。

また、鉄道を利用することで輸送量が増える一方、コストは大幅に下がることが見込まれる。「和坪鉄道」が将来、10億トンを超す可採量を持つ茂山鉱山からの鉄鉱石輸入を増やすための「設備投資」と受け止められるゆえんだ。

一方、北朝鮮にとって鉄鉱石は、石炭に次いで第二位の外貨稼ぎの「優等生」だ。韓国のKOTRA(韓国貿易投資振興公社)の資料に拠ると、2011年には約4億ドルの鉄鉱石が中国に輸出されたとされる。北朝鮮国内の貧しい電力事情や鉱山設備の老朽化を考えた場合、中国向け鉄鉱石のほとんどが、中国からの直接投資を受けている茂山鉱山産だというのが本紙の見立てだ。

橋脚の上に線路も設置されている。2012年11月 朴永民(パク・ヨンミン)撮影(アジアプレス)

橋脚の上に線路も設置されている。2012年11月 朴永民(パク・ヨンミン)撮影(アジアプレス)

コンクリート製の枕木や、信号の設置も済んでいる。奥に見える広場が駅前にあたる。背後の山並みは北朝鮮。全長40キロ余りの路線は単線で運用される。2012年11月 朴永民(パク・ヨンミン)撮影(アジアプレス)

コンクリート製の枕木や、信号の設置も済んでいる。奥に見える広場が駅前にあたる。背後の山並みは北朝鮮。全長40キロ余りの路線は単線で運用される。2012年11月 朴永民(パク・ヨンミン)撮影(アジアプレス)

整理が終ったような鉄道の姿。2012年11月 朴永民(パク・ヨンミン)撮影(アジアプレス)

整理が終ったような鉄道の姿。2012年11月 朴永民(パク・ヨンミン)撮影(アジアプレス)

 

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