ハサカ県西部の町ラアス・アルアインで、イスラム教スンニ派武装組織のアルヌスラ戦線支部リーダーと接触した。アルヌスラ戦線はアルカイダと強い結びつきがあるとされ、イスラム教アラウィ派主体のアサド政権に対し大規模な攻撃をおこなってきた。反体制派の自由シリア軍とも連携している。

シリア反政府組織のなかでもっとも過激なグループといわれるイスラム系武装組織のアルヌスラ戦線支部のリーダー(30=写真)は、腹部につねに自爆ベルトを巻き、先端には起爆装置が延びていた。「いつでも自爆する覚悟があることを知らせるためだ」と話す。(シリア・ハサカ県ラアス・アルアイン3月下旬 撮影:玉本英子)

 

青い目にひげをたくわえた、リーダーの男性(30)は腹部に自爆ベルトを巻き、先端には起爆装置が延びていた。(写真)
「いつでも自爆する覚悟があることを知らせるためだ」と話す。
昨年11月にラアス・アルアインで起きた戦闘では、自由シリア軍とともに、地元のシリア政府軍へ攻撃を開始、その後、クルド人組織、人民防衛隊(YPG)と戦った彼は、3週間前、市街戦でYPGに銃撃され、腕を負傷していた。

キリスト教徒地区への攻撃については「シリア政府、軍関係者などは狙うが、地区の住民など、そんな小さなものは、いちいち攻撃しない」という。
シリアで生まれ育った彼だが、2003年、スンニ派武装組織、タウヒード・ワ・ジハード(唯一神と聖戦)の義勇兵となり、隣国イラクに入り、バグダッドやモスルなどイラク各地で米軍やイラク軍に攻撃を仕掛けた。同じくシリアから参加した仲間は、自爆攻撃で「全員殉教を達成し、自ら天国へ行った」という。
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