◇住民の生活は悪化の一途 当局は物資の供出も依然として強制
話題を変えて、最近の生活について尋ねた。北朝鮮各地では現在、収穫と脱穀を終え「分配」と呼ばれる農民の年間農業報酬が支給されている。
記者:金正恩氏が権力を握って二年が経ちますが、生活面で良くなった部分がありますか?
協力者:まったく、良くなるどころではないですよ。今、私たちの所では農業もうまくいかなかったのに、(当局が)家ごとに澱粉を20キロずつ無条件に出せと強く言ってきています。今は軍の食糧を集めるために、農場員たちに、とにかく食糧を出せと言うんです。皆なけなしの食糧を出すことになるので、あちこちからうめき声が聞こえるほどです。

記者:生活が悪化したということですね
協力者:良くなった点は一つもありません。悪くなったことしかありません。単刀直入に言うと、「弾圧」がさらに強くなりました。無言で私たちを締め付けるようです。ひと言で言うと「静かな戦争」ですよ。

このように北朝鮮の北部地域では現在、ただでさえ少ない農民の労働報酬を、軍糧米や供出という形で奪い取ろうと、当局がやっきになっている。張成沢失脚の報の裏で、今年も農民たちの生活は蝕まれている。
アジアプレスでは現在、中国キャリアの携帯電話を利用し、北朝鮮内部の記者や取材協力者と連絡を取り合い、張成沢失脚劇の余波を取材し続けている。今後も、北朝鮮の住民たちの反応をつぶさに追い、発表していく。

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