イスラエル軍からの激しい攻撃が続く、パレスチナ暫定自治区ガザ。死者数は、8月2日現在で1600人を超えた。爆撃は広範囲にわたり、女性や子どもを含む一般住民に多数の犠牲者が出ている。古居みずえが現地ガザから報告する。(アジアプレス編集部)
 
◆瓦礫の村 8月3日
ガザ南部ハンユニスのフザー村に入った。

イスラエル軍の攻撃で破壊されたガザ南部ハンユニスのフザー村。(8月3日 撮影・古居みずえ)

イスラエルとの境界近くで砲撃音が響く。以前にも、この村に来たことがある。2009年のイスラエルの攻撃があったときだ。村は、ことあるごとに攻撃を受けてきた。
停戦でないため、村には人の姿も車もみえない。中心部へ向かうと数人の人たちと出会った。家の様子を見に来た人たちだった。
ブルドーザーが瓦礫を掘り返している。近くには救急車が控え、人びとが、かたずをのんで見守っていた。
瓦礫の下に人が埋まっているという。

瓦礫の中から遺体が次々に運ばれてきた(8月3日ガザ南部ハンユニスのフザー村で  撮影・古居みずえ))

イスラエル軍の攻撃が激しく、近づくこともできなかったのだ。掘り返すこと1時間、やっと一人を見つけることが出来た。続いてもう一人。二人ともすでに体は原型をとどめていなかった。遺体が次々に発見される。フザー村で何が起こったのか、次第に明らかにされていくだろう。
 
【古居みずえ】

【ガザ攻撃】
6月末、パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸で行方不明になっていたイスラエル人の少年3人の遺体が発見され、イスラエル政府はイスラム原理主義組織ハマスの犯行だとして非難。今月初めにはこれに対する報復と見られるパレスチナ人少年殺害事件がエルサレムで発生。少年は焼き殺されたと報じられたことから、自治区ガザで抗議が広がり、ハマスがロケット砲撃をおこなった。イスラエルはただちに報復を決め、本格的な空爆作戦を開始。爆撃は広範囲にわたりハマス幹部宅やハマスのロケット弾発射地点など1000か所を超え、女性や子どもを含む一般住民に多数の犠牲者が出ている。またハマス側も数百発を超えるロケット弾で応酬を続ける。ガザ攻撃は過去にも何度も 起きており、2008-2009年にはパレスチナ、イスラエル双方の死者は千人にのぼる。その犠牲者の多くはパレスチナ住民だった。

 

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