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「戦闘では殉教する覚悟でいたが家族の顔がよぎり、死に切れず」
武装組織イスラム国(IS)は、集団殺戮や住民処刑で恐怖支配を広げ、シリア内の部隊と連携しながら、イラク・シーア派のマリキ政権に反発する地元住民感情に取り入り、一気に勢力を拡大した。

イラクの拘置施設で面会に応じた元戦闘員モハメッド・イブラヒム(30)。住民を容赦なく殺害し、敵兵を斬首する組織に加わった理由を「2人の兄が米軍とイラク軍に殺された」という怒りだと言い、いまも「ISは真理だ」と信奉、指導者バグダディ師への忠誠を捨ててはいなかった。そして「アッラーを信じぬ日本人は殺されてしかたない」と言い切った。201508_MAP_MOSUL01X180B

今年1月、モハメッドは戦闘中にクルド部隊・ペシュメルガに拘束された。ジハード(聖戦)を信じ、前線で戦っていた彼は、もし捕虜になるなら自決する覚悟でいたという。だが拘束されたときは抵抗も出来ず、「死に切れなかった」ともらした。

「家族の顔がよぎった」と打ち明けてくれた彼に、わずかな「人間らしさ」を見た。直接、彼の話を聞く私にとって、それはいくばくかの救いでもあったと同時に、普通の人びとの人生を破壊し、人間の心を奪ったイラク戦争が、いまも続いているのだということを改めて感じさせるものだった。
【取材:4月下旬・玉本英子】

モスル近郊の地区でIS分隊長をしていた元戦闘員のモハメッド・イブラヒム(30)。「ISは間違っていない。真理だと今も信じている」と話す。(4月下旬:イラク北部・クルド治安当局の拘置施設で:アジアプレス)

モスル近郊の地区でIS分隊長をしていた元戦闘員のモハメッド・イブラヒム(30)。「ISは間違っていない。真理だと今も信じている」と話す。(4月下旬:イラク北部・クルド治安当局の拘置施設で:アジアプレス)

 

◆これまで公開処刑をみたことがあるか?
モハメッド:
自分は実際に見たことはないが、聞いたことはある。窃盗の罪を犯した者はイスラムの法に従って、手を切リ落とさないといけないし、ISに敵対し戦った者が処刑されるのは当然だろう。

◆ジハード(聖戦)についてはどう思うか? 今も多くのIS戦闘員が自爆攻撃をするが、彼らは天国へ行けると思うか?
モハメッド:
ジハードは宗教布告だ。自分はジハードを信じている。そのためにはいつでも死ねる。天国に行けるかどうかは、アッラーがお決めになることで、自分たちで決めるようなものではない。

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