さて、北朝鮮当局は、いったいドローンの何を警戒しているのだろうか? 取材協力者は無人機撃墜の理由について次のように説明した。
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「首脳部(金正恩氏)を狙った爆弾無人機と、偵察、撮影のための無人機が我が国の領空を公然と飛び回っているので、民間と軍であらゆる火力を動員して撃墜するのだと、人民班会議で説明がありました」

北朝鮮が公式にドローンに敏感に反応したのは昨年12月のことである。北朝鮮のウェブ宣伝メディア「わが民族同士」は、脱北者が無人機を飛ばし、朝中国境地帯から尊厳(金日成、金正日)の銅像を打撃するテストをしたとして、首謀者、加担者を無慈悲に懲らしめると強い反発を露わにした。

また、これに先立つ昨年秋頃、中国との国境地域では、人民班会議や住民対象の講演で「国境を越えてから飛んでくる無人機を見つけたらすぐに申告せよ」という指示があったと、複数の北朝鮮の取材協力者が伝えてきている。

さらに、3月に入って米軍が最新無人攻撃機「グレイ・イーグル」の韓国配備を来年から進めると発表したことに反応した可能性もある。ただ、弱体化し規律と士気の低下が著しい朝鮮人民軍の現状で、いつ飛んでくるかわからない小型ドローンに対処できるのか、疑問である。(石丸次郎)

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