問 訓練はどのような形式でやっていますか?

――交代で陣地に張り付きます。教導隊の場合は、塹壕を掘ってそこで寝食までしています。 家に帰れない日もあるんですよ。以前の「準戦時態勢」(2013年2月の核実験後の緊張時、全国で警戒態勢に入った)の時よりずっと深刻だと思います。教導隊は大部分が工場労働者たちですが、情勢が緊張しているからと(仕事をせず)訓練だけを行っています。高射砲には実弾を装填させていて、命令があればいつでも撃てるように準備しています。 無人機(ドローン)を発見したら、射撃の権限がある人は撃ってもよいという指示まで下りました。明日は労農赤衛隊で実弾射撃訓練もします。

問 動員されている人たちは大変ですね?

――しんどいのは言うまでもないでしょう。教導隊の場合は、訓練期間の食糧は半分が本人負担なんですよ。辛いですよ。今回は情勢が緊張しているからと、病気を口実にして抜けることもできなくて、皆うんざりしています。兵器庫の鍵を持った兵器倉庫長が30分遅れて来たと、すぐに解任されました。殺伐としています。 

(当局が)戦争が起こるかもしれないと大騒ぎするので、「それなら、いっそ戦争やったらいいのに」と言う人が多いです。 市場では「(戦争やった方が)今のような暮らしよりはましではないか」と、知り合い同士で言い合っています。(戦争して) 損するのは上層部の連中ですからね。

取材協力者たちによると、市場は閉鎖されていないが、保衛部(秘密警察)などの治安機関による集中取締りもあって商売が萎縮し、警戒訓練の動員に時間を取られて困ると、民衆レベルでは不満が高まっているという。

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