金正恩氏は三池淵を度々視察したが計画通りに進んでいないようだ。写真は降雪の中を視察する金正恩氏。2018年10月30日付け労働新聞より引用

◆資金難で一次工事も未達成

金正恩氏が最優先国家プロジェクトとして建設が進めていた両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)観光特区の工事が中断されたことが分かった。北部に住む取材協力者が12月5日伝えてきた。(カン・ジウォン)

「三池淵に全国から動員されていた『突撃隊員』が、休暇名目で全員居住地に撤収することになった。しかし、故郷に戻る交通費も支給されず、(集結拠点の)恵山(ヘサン)市の駅前や市場は動員されていた人々でごった返している。冬を迎えて工事が進まないことに加え、動員された突撃隊員たちの寝泊りや食事の手当ができなくなり、深刻な状態になっていた。今は軍隊だけが残っている。結局、三池淵建設は資金難に直面して一次工事も達成できなかった」

取材協力者は現地の状況をこのように伝えた。

「突撃隊」とは、国家的な建設プロジェクトに動員される建設土木専門の労働部隊のことをという。主に青年組織から選抜され服務期間が3年程度の常設「突撃隊」と、職場や党員などからプロジェクトのために選抜される臨時の「突撃隊」がある。金正恩政権は、三池淵観光特区の建設のために、金正日氏の生誕日を冠した「2.16突撃隊」を構成。平壌市を含む全国の職場や党組織から人員を出させていた。

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