◆民衆とともに軍が越境

緑の行進が始まったとき、デモに参加する民衆を守る名目で約2万人のモロッコ軍も越境。行進の陰で並行して、ポリサリオ戦線への攻撃を開始した。サハラーウィからは「黒の行進」と呼ばれる緑の行進は、完全非武装の民衆デモではなく、国際社会がたどり着いた結論を蔑ろにし、民衆でカモフラージュした軍事侵攻だった。

偽りの言説と既成事実を重ねることで史実と事実をうやむやにするこのモロッコの手法は、その後現在にいたるまで、西サハラ問題の随所に見られる。(続く)

サハラーウィは、1975年のモロッコの侵略を、緑の行進ではなく黒の行進と呼ぶ。写真の男性は、前モロッコ国王ハサン2世(出典:Nushatta Foundation)

 

 

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