ウクライナではロシア軍による発電施設を狙った大規模攻撃が続いている。ミサイルや自爆ドローンによる攻撃の恐怖に加え、ライフラインが繰り返し狙われ、命と生活が追い詰められていく不安のなかで市民は暮らしている。(オデーサ/玉本英子

 

ウクライナ各地であいつぐロシア軍による大規模攻撃。ウクライナ空軍は、連日、ロシア軍のミサイルやドローンの飛来・撃墜の統計を公開。3月29日の攻撃は大規模で、計99のミサイル、ドローン、誘導爆弾が飛来し、「ウクライナ軍が84目標を破壊」としている。一方、防空網をかわして複数が着弾している。
Kh-101/Kh-555巡航ミサイル ― 破壊17
攻撃UAV(自爆ドローン)「シャヘド」136/131 ― 破壊58
航空誘導ミサイル X-59 ― 破壊5
イスカンデルK・巡航ミサイル ― 破壊4
(2024/03/29 ・ウクライナ空軍発表図)

 

22日にはザポリージャのドニプロ水力発電ダムが巡航ミサイルの攻撃を受けた。堤体上部が市の東西を結ぶ道路になっている。写真は損傷した堤体の上の一角。堤体コンクリートの一部が吹き飛んでいる。通行規制で長い車列ができていた。(3月28日・ザポリージャ:撮影・玉本英子・アジアプレス)

 

ザポリージャのダム。堤体の下のダム部分も損傷していた。もしダムが決壊すれば甚大な被害がおよび、電力供給も断たれることになる。(3月28日・ザポリージャ:撮影・玉本英子・アジアプレス)

 

あいつぐインフラ破壊。「住民の命、生活がロシア軍に握られていることの恐怖は計り知れない」と住民は話した。(3月28日・ザポリージャ:撮影・玉本英子・アジアプレス)

 

3月中旬以降、ロシア軍による電力施設攻撃があいつぎ、各地で断続的な大規模停電が発生。冷蔵庫や信号機も一時、止まる。なかには大型、小型の発電機を回して営業を続ける商店も。いつまた、ライフラインが立たれるかわからない戦時下の現状。写真は商店前の路上に置かれた発電機。(3月22日・オデーサ:撮影・玉本英子・アジアプレス)

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