本連載(2)で指摘したように、高市政権が推し進めた国家情報会議設置法では、国家情報局はじめ公安警察など各情報・諜報機関が収集する情報として、「重要情報活動」(安全保障、テロ防止、緊急事態対処)と「外国情報活動への対処」(外国のスパイ防止)に関するものをメインに掲げている。(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)

◆あらゆる情報が収集の対象となる仕組み

国家情報会議設置法では、「重要情報」に「その他の我が国の重要な国政の運営に資する情報」を加えることで、当局が国政に関すると見なせば、あらゆる情報が収集・調査の対象となり得る巧妙な仕組みになっている。

そのような情報収集の無限定ぶりは、政府側の国会答弁でも次のように明らかになった。

参議院内閣委員会で今年5月12日、立憲民主党の塩村文夏議員の質問に対し岡素彦内閣官房内閣審議官が答弁に立ち、国家情報会議による「重要情報活動」(安全保障、テロ防止などに関する情報収集)と「外国情報活動への対処」(スパイ対処)にとって必要であれば、調査対象者の税、医療、福祉、教育に関する個人情報の提供を各省庁から受けることに、「法令上、制約があるわけではない」とし、「各省庁が地方自治体や民間企業から得た情報もそれに含まれる」と述べた(『東京新聞』2026年5月13日朝刊)。

国家情報会議設置法案が参議院内閣委員会で可決された日の首相官邸(2026年5月26日撮影)

また、今年5月21日の参議院内閣委員会で共産党の大門実紀史議員が、国家情報会議設置法案では、国家情報会議・国家情報局が政府の各省庁に対し、保有する個人情報を提供するよう要求できるとされる点を質したところ、岡素彦内閣官房内閣審議官は、個人情報保護法では目的外の使用・提供は原則禁止だが、国家情報会議設置法にもとづき「個人情報が提供できるようになる」と答弁した(『しんぶん赤旗』2026年5月22日)。

これらの政府答弁からは、各省庁が保有する様々な個人情報を、本人が知らぬまに、むろん同意もなしに、しかも目的外使用・提供を原則禁じた個人情報保護法の本来の趣旨を曲げて、国家情報会議・国家情報局が吸い上げ、それらの情報がどのように用いられるかもわからず検証もできないブラックボックスに、次々と集積されていく不気味さが想像できる。

各省庁から国家情報会議・国家情報局に提供される情報には、マイナンバー関連の個人情報、能動的サイバー防御法によって収集されたインターネット上の通信情報も、必要に応じて含まれることが、国会審議を通じて明らかになった。

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