◆監視され続ける不安、声を上げることの大切さ……当事者・原告4人の訴え
この裁判で原告の4人は意見陳述をした。その要約が「もの言う」自由を守る会が発行した「ニュース」に載っている。原告としての訴えがそれぞれ凝縮されている部分を、次のように抜粋してみた。
「警察は収集した個人情報を民間企業に教えて反対運動の芽を摘ませ、上鍛治屋を地区から孤立させることに加担し、生活を守るための私の行動を反社会的で過激だと間違った情 報を伝えて洗脳していたことが明らかになりました。警察は企業との情報交換を『通常行っている警察業務の一環である』と言いますが、 これを認めれば、すべての国民の声・行為が圧殺されます」(三輪唯夫さん)
「警察の情報収集・監視は、言論の自由を委縮させることに繋がります。戦後70年にわたって培ってきた民主主義が後退し、民主主義国家が危うくなります。私は言論の自由から話し合いが生まれて、人間の英知が集まり、人類を正しい道に導くと確信しています。今回の裁判は、声を上げることの大切さ、すなわち『もの言う自由』を取り戻すための裁判です」
(同前)
「〔公安警察は〕私たちのことを監視して得た情報を、開発業者であるシーテックに提供していたのです。情報が漏れたのではなく、警察が提供したのです。その内容は、意見交換と称して、シーテックに私たちのことを過激派でもあるかのような意識を植えつけ、危機感を煽っているようにしか思えません。市民運動つぶしを指南していたのです」(松島勢至さん)
「〔風力発電施設が〕計画されたのは私の家の裏山です。風車が建てば、いろんな被害(特に超低周波)が予想され、住めなくなる可能性があります。私自身を含め同じ地域に住む人達の生活といのちを守りたいという思いから勉強会を始めたのです。その行動を何故監視されなければならないのでしょうか」(同前)

「1995 年に『徳山ダム建設中止を求める会』を立ち上げ、岐阜県下のさまざまな環境運動と出会い、全国各地の住民運動・市民運動と繋がりができました。自ら動くことで信頼する仲間が得られることを、身をもって知りました」(近藤ゆり子さん)
「警察は、私を日常的、継続的、長期的に監視し、収集した情報を好き勝手に利用していたのです。…中略…おかしいと思うことに対して声を上げること、共に行動しようと周囲に呼びかけることは、民主主義の基本のキです。それに『目を付け』、監視の対象とする、それが警察の通常業務だ、と言い放ったのです。絶対に許せません。警察庁と岐阜県警の警備公安部門が保有する、私たち原告に関する一切の情報を抹消するよう求めます」(同前)
「私の個人情報は、いつから、どう調べられ、どんな内容が警察に保管されているのか? シーテック社だけでなく、別の場所でも提供され、利用されてきたと容易に想像できます。私の情報を得るために、私と私の家族、職場、多くの友人に警察の監視の目が光っているのではないか。正直、とても生きづらくなったと感じます」(船田伸子さん)
「この事件は過去のものではなく、今もなお被害は続いています。私は、公安警察によって、人格権を侵害され、今後もずっと監視され、情報が収集され、蓄積され、利用され続ける不安を持って生活し続けなければなりません。今回のことは私たち当事者だけの問題ではなく、私たちとつながるすべての人の人権を侵害していると考え、裁判を起こす決意をしました」(同前)
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