「大垣警察市民監視違憲訴訟」の原告のひとりである近藤ゆり子さん(77)は、自らが監視・情報収集の対象にされ、人権を侵害された経験から、「公安警察による市民監視・情報収集の活動を規制しなければならない」と、次のように説く。そして、同様の規制が必要なのは、公安警察など各情報・諜報機関の司令塔となり、「スパイ防止関連法制」を統括するであろう国家情報局についても当てはまることだ。(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)

◆情報収集活動に歯止めをかけなければならない

「『大垣警察市民監視事件』から浮かび上がってきたのは、公安警察が法的根拠もなくフリーハンドで情報収集・保有・利用していることです。これに対しては何らかの歯止めをかける必要があります。『大垣警察市民監視違憲訴訟』の名古屋高裁判決は、この点について次のように指摘しています」(近藤さん)

「警察による情報収集活動について、どのような場合に、どのようなものが収集、保有及び利用の対象となるのか、どのような場合にこれが許されないのか、どのように利用され、どのような場合に抹消されるのか、正確性をどのように担保するのかなどを、明確に規定する具体的な法律上の根拠があることが望ましい」(判決本文P50)

『大垣警察市民監視違憲訴訟「もの言う」自由を守る裁判と運動』「もの言う」自由を守る会編・発行 2026年)の表紙

「名古屋高裁判決を受けて警察側は、『(判決を)重く受け止めている』と表明しましたが、その言葉が真実なら、この判決が示す方向で警察の情報収集等を規制する、まともな法律をつくるべきです。ところが、現実は真逆に向いていて、広汎な人びとのプライバシーにわたる情報の収集を合法化し、その情報を公権力が効果的に活用するための情報機関、国家情報局づくりや『スパイ防止関連法制』づくりの動きが加速しています」と、近藤さんは懸念を表す。

「大垣警察市民監視違憲訴訟」弁護団の山田秀樹弁護士も、公安警察の情報収集活動を規制する法律がないという問題点について、次のように言及している。

「司法警察であれば刑事訴訟法や刑事訴訟規則、犯罪捜査規範などによって警察の活動は規制を受ける。それと同じように行政警察活動(公安警察の活動はその一部)についても法制化が必要である。警察による情報収集活動から個人の人権を守るためには、そのような活動を規制する法律が必要であり、また、警察の活動を監督する第三者機関も必要である。今後、私たちは公安警察に法の網を被せるために活動していくことが求められている」(『大垣警察市民監視違憲訴訟「もの言う」自由を守る裁判と運動』「もの言う」自由を守る会編・発行 2026年)

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