23日と24日の両日、イランと、国連安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国(5+1)の核関連協議がイラクの首都バグダッドで行われたが、大きな進展が見られぬまま、協議は次回に持ち越された。
イラン側、5+1側の双方は23日の協議でそれぞれの案を提示。核問題に関するものだけでなく、バーレーンの民主化、海賊や麻薬の取り締まりといった通常の問題についても双方から提示され、共通の見解も得られた模様。

しかし、核問題に関しては、双方から最大の要求と最小の見返り(譲歩)が相手側に提示され、初日から紛糾した。5+1側は、航空部品の供与などを見返りに、イランが医療目的と主張する20%のウラン濃縮作業の停止を求めた。これに対してイランは、4月のイスタンブール会議での、イランの核の平和利用に関する確認事項を覆すものだとして強く反発。その一方でイラン側は、石油、金融部門での制裁解除を要求したという。

23日に2度の協議が行われる予定だったが、双方の見解のずれから1度目の協議後にイランと数カ国の個別協議が行われ、翌24日も、正式な2度目の協議が行われる前に、イラン側のジャリリー国家安全保障最高評議会書記長とEUのアシュトン外務・安全保障政策上級代表の2者協議が行われた。この日、昼食を挟んで2度に渡るイランと5+1の協議が行われた後、同様の2者協議が再度行われたが、大きな合意は得られなかった。

2日間に渡る協議を終えて、ジャリリー書記長は、「バグダッド協議の成果は、互いに相手の見解をより知ることが出来たことだ」とし、イスタンブール協議での確認事項が覆され、協議が振り出しに戻ったことへの皮肉めいた発言を行った。
ジャリリー書記長はまた、20%のウラン濃縮作業の停止という5+1の要求について、「平和利用のためのウラン濃縮は我々の明らかな権利であり、核の協力という枠組みにおいて(のみ)議論され得る」とし、西側を牽制するとともに、濃縮停止に向けたアプローチに含みを残した。

次期協議はロシアの首都モスクワで6月18、19日に行われることが決定しており、それまで専門家を交えた次官級協議を行うことで、モスクワ協議に向けた枠組み作りが進められる。(佐藤 彰)