◆コリアタウンで排外街宣 女子中学生に「虐殺」叫ばせる異様
昨年8月の李明博大統領(当時)の竹島(韓国名:独島)訪問以降、日本国内の反韓国デモはより過激になった。今年に入ってからは東京・新大久保や大阪・鶴橋などのコリアンタウンでも「韓国人を殺せ」のような悪質なスローガンが掲げられている。差別排外主義を掲げる行動の現場を報告する。(ラジオフォーラム リ・シネ)

2月9日の「害虫駆除」の大型プラカードを掲げる「差別憎悪扇動行動」の様子。東京・新大久保 撮影 リ・シネ

2月9日の「害虫駆除」の大型プラカードを掲げる「差別憎悪扇動行動」の様子。東京・新大久保 撮影 リ・シネ

 

「皆さん、朝鮮人は嫌いですか?皆さんが健康であることの証拠でもあります。ウジ虫ゴキブリ朝鮮人。これは、何千何万回言っても飽き足らない」
これは、去る2月9日の東京・新大久保で行われた「不逞鮮人追放!韓流撲滅 デモ in 新大久保」と称する街宣で発せられたスピーチのひとこまである。発言者はこのデモを主催した「新社会運動」の代表である桜田修成氏。

この日のデモに集まった各団体は、「行動する保守」とも呼ばれる。街頭での宣伝やデモ、署名集めや募金活動といった市民運動的なスタイルを取るのが特徴の右派系グループだ。代表的な団体が「在日特権を許さない市民の会(在特会)」である。
「朝鮮人を叩き出せ。竹島を取り戻せ。日韓断交を実現するぞ」

「殺せ、殺せ、朝鮮人」
この日、大久保公園を出発したデモ隊は、コリアンタウンの周囲を、このような罵声を発しながら一周した。
先導車両は「ゴキブリペプシマット」と彼らが呼ぶ、落書きされた「太極旗」(韓国旗)を引きずっている。彼らが掲げたプラカードや横断幕には「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」「害虫駆除」などと書かれていた。プラカードを持った人々はカメラを持つ私に向かってそれを掲げ、得意そうに笑った。

「差別憎悪扇動行動」に反対する市民の活動も活発になってきた。2月24日大阪・鶴橋 撮影 リ・シネ

「差別憎悪扇動行動」に反対する市民の活動も活発になってきた。2月24日大阪・鶴橋 撮影 リ・シネ

 

中学生に「虐殺するぞ」を叫ばせる
2月24日大阪鶴橋。この西日本最大のコリアタウンで、『日韓国交断絶国民大街宣 in 鶴橋』と称するデモと街宣が行われた。
鶴橋駅前の街宣では、女子中学生がマイクを持って次のように叫んだ。
「まず日本人の方に聞きたいです、ここにいる『チョンコ』が憎くて、憎くてたまらない人は何人いますか?」

「もう(朝鮮人を)殺してやりたい。皆さんもかわいそうやし。私も憎いし、死んでほしい。『鶴橋大虐殺』を実行しますよ」
思想や言論の自由はあるとはいえ、中学生にこのような発言をさせるのは、一種の虐待に当たるのではないのか。私自身、中学生の息子がいるので、とてもつらく思う。それと同時に、周りにいた大人たちがはやし立てていたことに憤りを覚えた。
このような聞くに堪えない言葉が発せられる「差別憎悪扇動行動」が、東京・大阪などで、公然と警察と行政の許可のもとに毎週のように行われているのだ。(続く)

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