断崖が続く喜望峰、味も景観もすばらしいワイナリー、手軽に楽しめるサファリツアーなど、南アフリカ共和国(以下南ア)の観光資源は枚挙にいとまがないが、南アの魅力は自然美だけではない。様々に異なる人々が共に暮らす姿もまた、この国を特徴付ける大切な魅力のひとつだ。南アの多様さを確かめたく、2つのコンサートを訪ねた。連載最終回。(岩崎有一・アジアプレス)

南ア南端の都市ケープタウンで年に1度開かれる、ケープタウン・インターナショナル・ジャズフェスティバル(以下CTIJF)は、音楽祭としてはアフリカ最大の観客数を誇る催しだ。2000年に始まったこのフェスティバルでは、南ア国内だけでなく、アフリカ各地から、そして世界各地からのアーティストが集まり、音楽が奏でられている。

音楽家を目指す若者に向けたワークショップを含めると開催期間は1週間に及ぶ。コンサートは3日に渡って開催。その初日は、ケープタウン市内のグリーンマーケット・スクエアと呼ばれる広場で、メインの2日間はケープタウン・インターナショナル・コンベンション・センター(以下CTICC)で行われた。コンサート当日は、ケープタウン市内の主要な道路で規制が敷かれるため、日常的に渋滞するケープタウン中心部の道路は、この数日間は静まりかえっていた。

コンサート開催期間のため進入できないことを示す看板
(ケープタウン・南アフリカ 2017年/Cape Town, South Africa 2017 撮影:岩崎有一)

コンサートのステージが準備されたグリーンマーケット・スクエア
(ケープタウン・南アフリカ 2017年/Cape Town, South Africa 2017 撮影:岩崎有一)

正直にお伝えすると、CTIJFはアフリカ中にその名が知れ渡っているほどの地名度はなく、世界中から観客が押し寄せるほどでもない。また、現地の方々がこぞって、この日を心底楽しみにしているという感じでもなかった。コンサート当日になっても、CTIJFの開催に気づいていないケープタウン在住の人々も多数いた。

アーティストの顔ぶれは、アフリカ地域とアフリカ地域外で半々の割合だ。ジャズフェスティバルと銘打つイベントだが、ポップソングもあればヒップホップもある。かなりバラエティ豊かな構成となっている。

地元民が待ち焦がれるほどでもなく、アフリカ一色でもないCTIJFだが、それでもやはり、実に興味深く、そして心地いいイベントだった。

フリーコンサートの会場は、大変な賑わい
(ケープタウン・南アフリカ 2017年/Cape Town, South Africa 2017 撮影:岩崎有一)

フリーコンサートを楽しんでいた観客の方々。みなさん南アフリカの方ですか?と聞くと、Yeah!と返ってきた
(ケープタウン・南アフリカ 2017年/Cape Town, South Africa 2017 撮影:岩崎有一)

次のページ:コンサート初日の会場となるグリーンマーケット・スクエアは...

越えてくる者、迎えいれる者 ― 脱北作家・韓国作家共同小説集

越えてくる者、迎えいれる者 ― 脱北作家・韓国作家共同小説集

韓国入りした北朝鮮人作家6人と、韓国の作家7人による共同小説集。
脱北作家たちの作品からは、窺い知ることが難しい北朝鮮民衆の暮らしぶりを知ることが出来ます。

訳者: 和田とも美

出版社: アジアプレス 出版部
価格: 1,490円(税込) 送料無料!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう