ISに右手首を切断されたサリムさん(2019年10月・シリア・ラッカ・玉本撮影)

◆イスラム法を独自解釈し、「神の裁き」を宣伝したIS

4年近くにわたりシリア・ラッカを支配した過激派組織イスラム国(IS)。独自に解釈したイスラム法による統治を布告し、公開処刑や手足切断刑を繰り返し、ネットで世界に宣伝した。だが実際の現場では「法」は恣意的に運用され、でっち上げの罪を着せられた住民もいた。ISに手首を切断された男性をラッカ現地で取材。取材は2019年10月。(玉本英子・アジアプレス)

 

「イスラム法の統治」を喧伝したIS。支配地域の町や村で「神の裁き」などとして斬首や切断刑、鞭打ち、石投げ刑を執行し、映像をネットで公開。写真は窃盗罪で右手首を切断する様子。(2015年・IS映像より)※一部ぼかし

ISはシリア政府軍やクルド主導勢力に協力する住民を徹底的に取り締まった。摘発された者は公開で磔(はりつけ)にし、銃殺や刺殺して見せしめ的に遺体を数日間晒した。(2016年・IS映像より)※一部ぼかし

シリア・ラッカ市内の広場に集まった群衆。黒覆面の男たちが、青年の右腕を机に置き、体を押さえつける。「この者には窃盗の罪で神罰が下される」とマイクで告げられると、手首めがけてナタが振り下ろされた。ISが公開刑を執行する映像だ。

ラッカはISとシリア民主軍(SDF)との激しい戦闘で市民を含む多数の犠牲者が出た。写真はロケット砲を発射するIS戦闘員。2017年10月ISは敗退、ラッカは陥落した。(2017年・IS映像より)

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