シム:村で死んだ人はいなかったんですか?
女性:うちの村にはいませんでしたが、何日間も小川を渡ることができませんでした。
何日経って、上流の方では土砂崩れが起きてテレビや冷蔵庫が流されてしまい、人もたくさん死んだと聞きました。
一番被害が大きかったのが、陽徳(ヤンドク)、信陽(シンヤン)のあたりなんですって?そこの鉄道では、枕木も盛り土も全部流されてしまって、レールだけが残ったらしいですね。元山の方に商売に行こうとしてた人たちは、橋が流されて汽車がストップして行けなくなったとか。

シム:人が死んだという話し聞きましたか?
女性:檜倉(フェチャン)では人民軍一個中隊100名が全部死んだとかって大騒ぎしていました。若い人たちが山のほうで訓練してたらしいんだけれど、後から武器か何かをそこに取りに行ったところ、一人も生存者がいなかったんだそうですよ。

シム:軍隊の被害の噂はありましたね。山が崩れたのかな?
女性:わかりません。誰も現場を見てないですよ、一人も生き残らなかったんだから。死んだ隊員の死体が流されていくのを見た人はいたといいます。

シム:檜倉には兵隊が多いんでしょう?
女性:はい。

シム:若い隊員がたくさん死んだでしょうね。
女性:隊員もたくさん死んだし、人民もたくさん死んだはずよ。

シム:そうみたいですね。一個中隊が完全になくなってしまったというのが檜倉ですよね?今回の水害では全体で何名くらい死んだと言われてますか?
女性:それは知りません。
(つづく)
注1 7月になってトウモロコシの実が大きくなり始めると、泥棒を警戒して、どの畑も一日中見張りがつく。
取材 シム・ウィチョン/整理チェ・ジニ

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