保安員(警察官)は階級章が肩にある(軍は襟)。右の男性が保安員で左は女性軍人。(2005年6月平安南道順川にて リ・ジュン撮影)

保安員(警察官)は階級章が肩にある(軍は襟)。右の男性が保安員で左は女性軍人。(2005年6月平安南道順川にて リ・ジュン撮影)

 

北倉(プクチャン)18号管理所出所者の証言 1
朝鮮の人々がもっとも怖れ、忌まわしいと考えているものは何であろうか。それは「革命化」である。
「革命化」とは、朝鮮労働党が「組織規律違反者」に下す懲罰の一つである。
「革命化」を命じられた者は、家族もろとも統制区域に強制収容され、監視、管理、教化される。

その場所こそが、あの世界的に悪名高い「政治犯収容所」、すなわち保安省や保衛部所属の「第◆◆号管理所」なのである。
朝鮮民主主義人民共和国の司法制度は、形の上では他の国々となんら変わるところがない。
しかし、彼の地で行われている最も恐ろしい懲罰「革命化」は、公正な裁判を経ないのはもちろん、「革命化」期間中は、罪のない家族まで「管理所」に収容される。

辞書によれば「法的手続きによらず私的に加える刑罰」のことを「リンチ」と呼ぶのだという。二一世紀の今日、朝鮮労働党による「革命化」は、リンチ以外の何ものでもない。
リムジンガンの記者コン・ヨンギルは、二〇〇七年、「革命化」すなわち「管理所生活」の生き証人を取材する機会を得た。
この記事は、事情により証言者の独白から整理したものであり、必要に応じて編集部で補足を加えた。

なお、本人の希望により、接触経緯や具体的な日時、場所、詳しい身元情報を明らかにすることができない。
また、本人やその家族の身辺の安全のために、個人特定につながるいくつかの情報は意図的に改変したが、そのことによって全般的な事実関係に影響が及ばないよう留意したことを、読者の皆さんにあらかじめお知らせしておく。

また、編集部内でも議論があったことだが、本記事の証言者は、これまで「管理所」体験を公表した人とは、やや異なった視点や見解をもっている。
それは、おそらく証言者本人の「管理所」入所前の年齢や学歴、家庭環境などによるものではないかと考える。
(編集部)
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