イラクでは家庭により離乳食が異なる。この家では半熟卵を赤ちゃんに食べさせていた。(4月11日 撮影:玉本英子)

玉本英子 現場日誌
4月11日 バグダッド
友人の弟の家を訪れた。
彼は半年前に男の子を授かった。
ハジャールと名づけられた子は、すくすくと育っていた。
父親似の大きな頭につぶらな瞳がなんとも愛らしい。
お昼ごはんということで、母親が用意したのは半熟の卵だった。
スプーンですくって、少しづつ口に運ぶ。
「カルシウム補給のために食べさせなさいと医者に言われたの」と母親は話すが、
イラクの半熟卵は大丈夫なのだろうか?とふと思ってしまった。

6ヶ月になったばかりのハジャールちゃん(男の子)。父親はクルド人、母親はアラブ人だ。バグダッドではイラク戦争前まで結婚について民族や宗派にこだわる家族は多くなかったが、宗派抗争後、こうしたことを気にする家族は増えた。

 

食べおわったハジャールは元気いっぱいに手足を動かし、周りにいた大人たちからキスの嵐を受けていた。
「この子が大人になる頃、バグダッドも安全で普通の生活が送れる都市になっているはず」赤ちゃんの頭をさすりながら母親は話した。
【バグダッド・玉本英子】

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