劣化ウラン弾は核のゴミのリサイクル

:イラクなどの戦場で使用されている劣化ウラン弾は、使用済み核燃料から作られているものだと聞きましたが。

小出:米国あるいはロシア等を含めた核兵器保有国というところが、これまで大量の核兵器を作ったわけですが、核兵器を作る時の副産物として劣化ウランが出てくるのです。
ただし、そのことは原子力発電の時も全く同じでして、原子力発電をやればやるだけ、劣化ウランというものが溜ってきてしまうのです。それは、放射能を持った厄介なゴミで、その毒性を消すことができないことから、核兵器保有国はみんなその処理に頭を悩ませてきたわけです。

そこで、米国はうまい解決法を見つけました。そんな厄介なものは敵地に捨ててきてしまえばいいと。

R:リサイクルして弾につめてイラクに落とせばいいと。

小出:要するに、敵国を傷付けながら、またゴミの始末もできるということで、米国にとっては大変都合のいいやり方を考え出したわけです。

:プルトニウムはもちろんのこと、ゴミである劣化ウランまでも、戦争で利用することが出来るということですね。原発の再稼働を目指すということは、核兵器を持てる国づくり、更には戦争そのものに近づいてゆくことでもありますね。

小出:まさに戦争に向かっていると思います。ジャーナリストの皆さんにとっても、たぶん深刻だと思いますが、特定秘密保護法もすでに成立させられてしまいましたし、ますます戦争の時代に向かっているんだなと私は思います。

原子力発電所は核兵器開発の過程で生まれた。だから、戦争と切り離して、原子力エネルギーを語ることはできない。

※小出さんの音声をラジオフォーラムでお聞きになれます。

「小出裕章さんに聞く 原発問題」まとめ

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