【連載・写真特集】イラクのヤズディ教徒たち（２）◆ヤズディ教の風習

各家庭では、お菓子とゆでたまごを用意し、新年の挨拶にまわる親族らをもてなすのが習わし。(シェハン・2005年)

ゆでたまごを手にとり、お互いに軽く当て合い、殻が割れたほうが負け、となる。来訪したお客と「対戦」を続け、最後まで残ったら勝ち。イランや中央アジアのお正月ノウルーズにも共通するものが見られる。イランやクルドの新年は春分の日にあたる3月21日だが、ヤズディは4月である。右の男性が着ているのはクルドの伝統衣装。(シェハン・2005年)

ヤズディ教徒はクルド語を話すクルド人だが、彼らが話すのはイラクで主要なソラニ方言ではなく、おもに北西部に多いバディニ方言。トルコやシリアのクルド人が話すクルマンジ方言に近い。イスラム国に制圧されたシンジャルはシリア国境に近く、シリアと同じクルマンジである。(シェハン・2005年)