R:それは被曝と白血病の因果関係を認めたということなのでしょうか。

小出:もともと被曝によって様々ながん、白血病が出るということは学問の定説になっていまして、一般人の被曝限度以上に浴びるのであれば、やはり労災を認めるというのが、ごく当たり前の考え方だったのだと思います。それで今回も、5ミリシーベルトを超えたことを理由に認められたわけです。

けれども、現在の一般人の許容限度というのは年1ミリシーベルトにすでになっているわけですから、私としては年1ミリシーベルトを超えて被曝した労働者が白血病になった、あるいは、その他のがんになったと言うならば、労災として取り扱うべきだと思います。そういう労働者はたくさんいるわけですので、今後、多数の労働者に対してきちんと労災を認めてほしいと願います。

R:今も福島原発事故の収束作業は続いているわけですけれども、まだ今後も大量の被曝を要する作業が待ち構えているのでしょうか。

小出:はい。これから熔け落ちてしまった炉心の撤去作業というようなものもやらなければいけないわけです。それより前に1号機、2号機、3号機の中に使用済み燃料プールがあり、そのプールの中にある使用済み燃料の取り出しという作業もやらなければいけません。大変被曝の多い作業にならざるを得ませんし、従来以上に労働者が被曝をしていくだろうと私は思います。

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