北朝鮮政府は第七回労働党大会を5月6日に開催すると発表した。金正恩政権で最大の政治行事となる党大会を前に、北朝鮮国内では、辻々に取締り組織が立つなど、人民統制が格段に強まり、国民は政治学習や奉仕労働に動員される毎日だという。4月26日、北部地域に住む30代の女性に党大会直前の様子を聞いた。(聞き手 カン・ジウォン)

(参考写真)郊外から平壌に入るバスを検問する国家安全保衛部の軍人。2006年8月リ・ジュン撮影(アジアプレス)

(参考写真)郊外から平壌に入るバスを検問する国家安全保衛部の軍人。2006年8月リ・ジュン撮影(アジアプレス)

 

――党大会が近づいてきたが、北朝鮮内部の雰囲気はどうですか?

党大会なんてやらなければいい。党大会やって経済がよくなるとでもいうのでしょうか。人民を豊かにしてやるとずっと嘘ばかりついてきたのに、党大会やるからと、人民をこき使って、いびって、うんざりしています。

それから、今、街中にどれだけ「糾察隊」が多いことか。市場「糾察隊」、女性同盟「糾察隊」、青年同盟「糾察隊」などを配置して統制ばかりしています。
※「糾察隊」は、党傘下の社会団体の中に組織される風紀取締り組織。

――党大会を前に「70日戦闘」をやっていますが、なにか成果はありますか?

よくなったことなどありませんよ。「無職者」をなくすとして、出勤を強要している他に特別な成果なんてありません。他の地方から来た人たちを「宿泊検閲」して捕まえ、証明書がなければ「労働鍛錬隊」に入れて、賄賂払わないと出さない。払う金の無い者は所属組織の責任者が連れに来てくれないと出してくれません。
※経済難でほとんどの工場は稼働が停滞。配給も給与もまともに出ていない。
※「労働鍛錬隊」は短期の強制労働キャンプ。裁判を経ずに保安署(警察)の裁量で拘留できる。
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