農村動員の作業の合間に行われた政治学習の様子。「金正恩同志と生命・運命を共にする真の同志となるためにどうすればよいのか」について、女性幹部が早口で資料を棒読みしていた。(2013年6月北部地域 ミンドゥルレ撮影)

農村動員の作業の合間に行われた政治学習の様子。「金正恩同志と生命・運命を共にする真の同志となるためにどうすればよいのか」について、女性幹部が早口で資料を棒読みしていた。(2013年6月北部地域 ミンドゥルレ撮影)

 

――農村動員期間になって社会的の雰囲気はどうか?

私たちも、毎朝野菜畑の草取りに動員されている。もう、やってられないです。

――住民統制はどうですか?

取り締まりは厳格だ。街を歩いていても 「農村動員の時期なのにどこに行くのか?」と監視隊に言われる。清津市では、市場の運営時間外に街中にいると、無条件に検束されて畑に送くられている。それで、昼間の街中は閑散としているそうだ。

取締りの厳しさについては、他の取材協力者も不満を口にする。6月初めに報告をくれた北部地域の住民は、今の雰囲気を「怖い」として、次のよう述べた。

「道を歩いていると、『農村にも行かず何をしているのか』と監視隊に止められ持ち物検査をされる。ポケットやかばんの中をひっかきまわされるのだが、中国の携帯電話なんか出てきたら刑務所送りです」
という。

北朝鮮の住民たちは、今年に入りずっと政治集会や労働動員に駆り出されており、疲労と不満がたまっている。

アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮内に投入し連絡を知り合っている。

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