ISは塹壕やトンネル坑道をはりめぐらせて空爆を回避しようとした。写真は地下トンネルの入り口。(2016年・イラク北西部シンジャル・撮影:玉本英子)

 

ミルザのペシュメルガ駐屯地にもISの一斉突撃がかけられたことがある。2016年秋、ISは爆弾を満載した装甲ブルドーザーを先頭に部隊が駐屯地に向け一斉突撃をはかったという。ミルザら、ペシュメルガ側は必死に応戦し、突撃を阻止した。シンジャルの町の一部は解放されても、近郊地域では、まだ戦闘が続いていた。

シンジャル南方ワルディアの前線で。ペシュメルガの駐屯地に、自爆突撃をかけてきたISの改造装甲ブルドーザー。クルド・ペシュメルガ兵が応戦し、突入を阻止した。(2017年・撮影:アブダル・アリ)

緊張のつづく前線の現場。休息時にかける妻イヴァンへの電話で心を和ませる。ようやく言葉を覚え始めた娘チーマンと話すのも楽しみだ。(2016年・シンジャル南方ワルディア・撮影:玉本英子)

 

瓦礫だらけの廃墟のようになったシンジャル市内の大通りをミルザと歩く。

「ここは以前、妻のイヴァンとよくやってきてアイスクリームを食べたお店なんだ。町と人と思い出のすべてが、壊されてしまった」。
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