2015年にISが公開した「カリフ国(=イスラム国)の若獅子たち」とするシリア・ラッカの映像。ここで戦闘員養成訓練を受ける少年のすべてが拉致されたヤズディ教徒だった。(2015年・IS映像)

同じISのラッカ少年戦士訓練所の映像。「ここでジハードを学び、不信仰者と戦う最前線に立つのだ」と中央の教官が語る。右から2番目の少年はこの映像公開から約5か月後に脱走を果たす。(2015映
像)

少年戦士訓練所映像に映っていたラグハム(14 歳・当時)弟と脱走した。「ヤズディ教徒は不信仰者。両親でも殺せ」と教えられ、ISの斬首映像も見せられたと話した。(2015年9月・クルド自治区・撮影:玉本英子)

 

ISは拉致したヤズディ教徒の女性・女児を、戦闘員と強制結婚させたり、戦闘員どうしで売買した。まるでモノを売り買いするかのごとく携帯SNSで値段交渉し、取引した。他方、拉致した少年たちを戦闘員訓練所に入れた。連絡がつく家族には身代金を要求するなどした。

ノビラス一家は、拉致された子どもの消息がわからず、不安のどん底にあった。

2016年9月、IS戦闘員を名乗る男が、父ハッサンの親戚を通して携帯電話にメールと映像を送って来た。そこには拉致された次男、三男が写っていた。3万ドル(約300万円)の身代金と引き換えに解放してやる、と男は伝えてきた。ところがその後、連絡は途絶えてしまう。
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