◆2014年にもイスラエルによる大規模な攻撃

壊れた家から枕など生活用品を持ち出す子ども(2014年7月にガザ市北部で古居みずえ撮影)

 

今回のガザ攻撃は2014年のイスラエルによるガザへの大規模攻撃以来の規模だ。この年7月、私もガザに入り取材をしていた。どこへ落ちるかわからないイスラエルの爆撃の下で多くの人たちがおびえていた。私が宿泊したビルは近くに着弾して揺れ、爆風でガラスが壊れるほどの衝撃があったことを憶えている。

当時、2000人を超えるパレスチナ人が犠牲になり(うちおよそ500人は子ども)、イスラエル人も73人が死亡した。今回、もしイスラエル軍によるガザへの地上侵攻があれば、それを上回る被害が出るかもしれない。今も爆撃下にあるアマルさんやガザの人々のことが心配でならない。

【解説】パレスチナ問題とは

1948年にユダヤ人がイスラエル建国を宣言したことで、第一次中東戦争が起こり、パレスチナにそれまで住んでいた多くの人が難民となった。この時からパレスチナ問題が発生した。第三次中東戦争以来、イスラエルは東エルサレム、ガザ地区、ヨルダン川西岸地区を軍事占領。そのことでイスラエルはエルサレム全体をイスラエルの首都としている。しかしながら国際社会はそれを認めていない。一方で、パレスチナ人は将来、パレスチナ国家を建設した時に、東エルサレムを首都とするとしている。今回のイスラエルによるガザ攻撃の発端は、東エルサレムで数週間にわたって、イスラエルとパレスチナの人々の間で緊張が高まり、イスラム教徒とユダヤ教徒にとって聖地とされる場所で衝突が起き、パレスチナ側に多数の負傷者が出て、ガザのイスラム組織ハマスが反撃に出たことによる。

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