(参考写真)路上でスルメが売られている。はるか東海岸から平壌に運ばれて来たものだろう。平壌市の寺洞区域にて2008年12月に撮影アジアプレス。

◆大規模水産事業所も苦戦

かつて規模の大きい水産事業所では、獲った魚介類を中国に輸出することで高収益を上げ上部機関を潤していた。だが、国連安保理の経済制裁のため水産物の輸出は2017年に禁止される。それでもパンデミック前の2020年1月までは中国への密輸出が細々と続いていた。

パンデミック期間は密輸もほぼ途絶えていたが、コロナ防疫が緩和された今になっても、中国への密輸出が活発になっているという情報は、今回の調査では確認できなかった。

「上部機関は、貿易会社や国営の商業網(国営商店など)に水産物を販売し、出漁にかかった経費を回収しろと言っているが、燃料費が高いし運送手段も不十分なので、国内でもうまく流通できていないそうだ。中国に売る、売らないとは別に、燃油価格も高くて、水産物の市場価格は依然として高い」

調査した取材協力者はこのように伝えた。それでは、実際にどのような魚介類が、いくらで販売されているのだろうか? 次回に報告する。(続く3 >>)

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

北朝鮮地図 製作アジアプレス

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