◆2006年度以来の最多認定
過去の請求・認定件数の推移(関連資料参照)をみると、認定は2003年度123件、2004年度189件とそれぞれ200件にも満たなかったのが、2005年度には、請求2575件で認定721件と急増。2006年度には請求2489件で、認定2744件と最多を記録した。
これは2005年6月末に、兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場周辺で業務上のばく露もない住民に同社が原因とみられる中皮腫被害が発生していたことが明らかになった「クボタショック」の影響だ。
それまで石綿関連疾患と知られておらず、労災手続きがされていなかった人による請求が集中した結果である。その後は1100~1200件程度を推移していることが多かったが、2021年度以降、はっきりと増加に転じている。
2025年度の請求2174件、認定1527件は、事実上複数年度分の手続きが集中した2006年度を除くと過去最多になる。これが「実質」最多とした理由だ。2022年度以降、毎年度「実質」過去最多を更新している状況だ。
日本の石綿輸入量は計約1000万トンで、アメリカに続いて世界第2位。被害がピークアウトしつつあるイギリスより使用増加が20年ほどずれており、日本はこれから被害ピークを迎えると推計される。つまり、今後も被害は増え続ける。
問題は、過去に使用された石綿が建物などに膨大に残されていることだ。
アメリカやイギリス、オーストラリアなど真面目に取り組む国々では、すでに規制強化が進んでいるが、日本はいまだ「国際標準から40年遅れ」の状況にある。そうした国々では建物などの改修・解体の被害は、少なくともある程度の減少が予想されているが、規制や監視が緩いままの日本では被害のピークアウトが長引く可能性がある。
近年、石綿除去や解体作業では外国人労働者が急増。かなりの割合を担っているとみられ、将来的に被害が集中する可能性も考えられよう。























