学生の日(2)

【テヘラン大学での学生集会。労働者と学生の団結を、と書かれたプラカードが掲げられた。だが今回、学生と市民は当局によって分断された。2009/12/7(動画投稿サイトの映像から)】

テヘランつぶやき日記
大村一朗のテヘランつぶやき日記 「学生の日」(2)  2009/12/07
エンゲラーブ広場周辺の商店はことごとくシャッターを降ろしていた。この広場でこんな光景を見るのは初めてだ。先へ進めば進むほど、警備の数と、身に付けている装備の重さが増してゆく。さらに多くの「私服」が目を光らせているはずだ。

5人、10人と固まっている治安要員の脇をすり抜けてゆくときは、自分の顔が引きつっていないか気にかかる。前回のアメリカ大使館占拠記念日では、多くの外国人が拘束された。今回は、海外メディアを完全にシャットアウトしていることから、外国人であるというだけで、本来この場にいてはいけないのだ。

エンゲラーブ広場を過ぎ、さらに大学に近づくと、普段は多くの人で賑わう書店街も、完全に休日状態だった。拘束されたときの言い逃れとして、ページが脱落してぼろぼろになった辞書を一冊持ってきていた。この書店街には、そうした本を装丁し直してくれる店があるのだ。しかし、この様子では明らかにこの言い訳は通りそうにない。

大学正門までまだ200メートルほどあるが、前方で数10名の治安部隊が市民を追い返している。ここまでかと諦め、逃げるようにバス停に駆け込み、バスに乗る。バスや車両はそのまま大学方面へと進むことが出来た。

バスの乗客は皆、大学の方を不安げに見つめている。正門周辺はデモ鎮圧部隊によって厳戒態勢が敷かれ、ひとっこ一人入り込めない。大学構内での集会を封じ込め、外の市民と合流させないための措置だ。正門前には当局によって大きな白い陣幕のようなものが張られ、道路からは中の様子が分からないようになっている。 (つづく)