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【テヘラン駅構内。6番線までしかなく、首都の駅としては驚くほど小規模。(撮影・筆者 2010/11/07)】

テヘランつぶやき日記
大村一朗のテヘランつぶやき日記 フーゼスターン州への旅 2010/12/02
日本から訪ねてきた友人に同行し、イラン南部フーゼスターン州へ4泊5日の旅に出た。最初の目的地は、ペルシャ湾に程近い、イラクとの国境の町ホッラムシャフル。テヘランから寝台列車で18時間の旅だ。

イランでは、鉄道網よりバス路線の方が発達している。首都テヘランと主要都市の間は、各社の長距離バスが日に何往復もしているが、鉄道は、テヘラン-マシュハド間のような主要路線を除けば、日に1、2本しか運行していない。運賃もバスより1、2割高く、時間も不正確なため、都市間の移動では圧倒的にバスの方に需要がある。だが、さすがに十時間を越える旅では、寝台列車の方が快適だ。

ホッラムシャフル行きの寝台列車は、6人用コンパートメントの一等寝台列車だ。豪華な設備はないが、掃除の行き届いた個室には、その日の朝刊と人数分のミネラルウォーター、お菓子が備え付けられている。広々としたコンパートメントを友人や家族で占有すれば、動きの取れないバスの長旅に比べ、はるかに快適な旅が楽しめる。

各車両には乗務員がいて、お茶やコーヒー、夕食の注文を引き受けてくれる。列車が出発してしばらくすると、洗濯済みの枕カバーとシーツのセットを配りにきてくれた。
昼過ぎにテヘラン駅を出発した列車は、ゆっくりと南に向かう。景色のほとんどは淡い黄土色の沙漠地帯で、ときおり同系色でたたずむ小さな集落の駅を通過する。

列車は、村の石造りの民家のすぐそばをゆっくりと通過し、窓の中の生活まで垣間見せてくれる。線路際に座り込んでいた村の女たちが車窓の私に気づき、わあ、外人!と私を指差す。少女がアッカンベーと大きく舌を出した。私がお返しをすると、腹を抱えて笑っている。
隣のコンパートメントからは、いつしか小さな男の子が遊びに来るようになり、我が家の3歳の息子とすぐ仲良くなった。そのうちその母親、さらに同じコンパートメントの女性も訪ねて来るようになった。